ヒュービットジェノミクスは、一人ひとりの健康情報や医療情報(Human:ヒト、Bit:単位)を遺伝学的な研究手法を用いて分析し、創薬ターゲット分子を見出して創薬する、という「おおきな夢」を抱いて創業いたしました。これまでに、糖尿病性腎症やパーキンソン病に関する創薬ターゲットの知的財産を製薬企業にライセンスアウトしてまいりました。2018年にはヒト臨床情報を起点とした「アレルギー疾患の免疫リセット」を実現する特許をPCT出願し、この知的財産を実用化しようと研究を進めております。また、2017年には糖尿病性腎症のバイオマーカーの尿中のSmad1、IgG4を出願し、現在は既知のマーカーと複合的にAI診断を行うための研究開発も行っております。さらに、これらのマーカーを用いたコンパニオン創薬も手掛けており、2021年には米国で有望な候補物質の特許を取得いたしました。私たちの創薬の基盤となるのは、これまで培ってきた「コホート研究」の手法を用いたもので、私たちは創薬の最も大切な情報は日常の医療の中にあると確信しております。
一方、私たちが国内の大学・地方自治体と共同で行ってきたコホート研究の基盤は開始から21年を迎え、今後様々な疾患の「リアルワールド」の情報から、新たな創薬課題の発見に繋がることを期待しております。さらに、コホート研究で培った「詳細で精緻な追跡手法」は通常の臨床試験とは異なり、大規模集団での医薬品や機能性食品の特性を科学的に立証することが可能です。(企業の皆様・大学の先生方と実施する臨床試験は、実際の臨床現場の情報をもとに実施される企画となります。)多様性に富む集団の特性一つひとつを正確に把握した上で試験デザインを作成することは、医療機関でのモニター試験とは異なる観点からの 「科学的エビデンス試験データ」の獲得に結び付きます。
また、こうした臨床試験の成果は新規の製品開発に繋がるだけでなく、既存の製品における安全性確認や適用拡大への情報収集等を目的とする市販後調査を通じた市場拡大・維持など、顧客のマーケティング戦略のサポートにも役立てられると考えております。